新規事業の立ち上げをコンサルティング会社に依頼する際、費用の相場や料金体系が分からず予算確保に悩む担当者は多いでしょう。結論から言うと、新規事業コンサルの費用は支援フェーズやシステム開発の有無によって数百万円から数千万円と大きく変動します。
本記事では、具体的な相場や失敗しないコンサル会社の選び方を徹底解説します。
- フェーズごとの新規事業コンサル費用相場
- 3つの料金体系の仕組みと費用目安
- 費用対効果を最大化するBtoB企業の実践ポイント
- 失敗しないコンサルティング会社の選び方と見極め基準
新規事業コンサルのフェーズ別費用相場

新規事業の立ち上げを外部に依頼する場合、企画から実行までのどの工程を任せるかによって費用は大きく変わります。また、開発を伴う実行支援フェーズを含む場合は、システム開発と同水準の予算を想定しておく必要があります。
ここでは、新規事業コンサルに依頼した際のフェーズ別の具体的な費用感について解説します。
前提:費用を左右する「支援フェーズ×自社規模×コンサル規模」の3軸
コンサルティングの費用は、「どのフェーズまで依頼するか(支援範囲)」「プロジェクトの対象規模(規模別)」「依頼先の企業の大きさ(会社分類)」という3つの軸で決まります。
例えば、単なるアドバイスだけでなく、MVPなどのシステム開発や事業基盤構築まで伴走してもらう場合、エンジニアの稼働も含まれるため、全体的な費用は必然的に高くなります。
市場調査や特許調査から始める企画・アイデア創出フェーズの費用
新しいビジネスの種を見つける企画・アイデア創出フェーズでは、市場調査、競合分析、特許調査などをコンサルタントが行います。
【企画・要件定義フェーズの費用目安】
| プロジェクト規模 | 費用目安 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 小規模 (業務改善・要件定義・単機能ツール) | 300万〜500万円 | 1〜3か月 |
この段階での小規模な要件定義や調査業務は、おおよそ300万〜500万円(期間目安1〜3か月)が相場となります。自社のリソースだけでリサーチを行うのが難しい場合に、プロの視点を取り入れるための初期投資として有効です。
事業計画策定およびプロトタイプを用いたPoC検証フェーズの費用
アイデアが固まり、事業計画の策定やプロトタイプを用いたPoC(概念実証)を行うフェーズです。
【設計・PoC検証フェーズの費用目安】
| プロジェクト / システム種別 | 費用目安 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 中規模 (部門横断業務システム・ECサイト) | 800万〜2,000万円 | 3〜6か月 |
| Webシステム(ECサイト等) | 300万〜2,000万円 | 2〜8か月 |
| スマートフォンアプリ | 500万〜2,000万円 | 3〜9か月 |
ここでは、部門を横断した検証や、簡易的なWebシステム・アプリの開発が含まれることが多く、中規模のプロジェクトとして800万〜2,000万円(期間目安3〜6か月)程度を見込むのが一般的です。ビジネスとしての実現可能性を試す重要な工程となります。
サービス開発からテストマーケティングに伴走する実行支援フェーズの費用
PoCを通過し、本格的な本開発やテストマーケティングへと進む実行支援フェーズでは、システム開発と同等の費用がかかります。
【実行支援・本開発フェーズの費用目安】
| プロジェクト / システム種別 | 費用目安 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 大規模 (全社基幹系・エンタープライズ) | 1,000万〜3,000万円以上 | 6か月〜1年以上 |
| 業務支援システム | 400万〜1,500万円 | 3〜9か月 |
| 基幹システム(ERP等) | 2,000万〜1億円以上 | 1〜3年 |
大規模な全社基幹系やエンタープライズ向けのシステム構築を伴う場合は、1,000万〜3,000万円以上(期間目安6か月〜1年以上)が目安となります。事業をスケールさせるための本格的な投資フェーズです。
新規事業コンサルの3つの料金体系と費用目安

コンサルティング会社との契約において、料金体系を正しく理解することは予算オーバーを防ぐために不可欠です。料金体系は大きく「定額制(プロジェクト型)」「タイムチャージ型」「成果報酬型」の3つに分けられます。
それぞれの特徴と、プロジェクトの内容に合わせた適切な選び方、そして具体的な費用の目安について詳しく見ていきましょう。
毎月一定額を支払う定額制プロジェクト型料金の相場
定額制(プロジェクト型)は、あらかじめ定められた期間と成果物に対して、固定の金額を支払う方式です。
【コンサルタント/伴走型開発体制の人月単価目安】
| ランク | 経験年数の目安 | 月単価の目安 |
|---|---|---|
| アナリスト | 1〜3年 | 100万〜200万円 |
| コンサルタント / エンジニア | 3〜6年 | 150万〜300万円 |
| マネージャー / リードエンジニア | 6〜10年 | 250万〜500万円 |
| パートナー / アーキテクト | 10年以上 | 400万円以上 |
「コンサルタント(経験3〜6年)」が参画する場合の人月単価は150万〜300万円程度が目安となります。予算の目処が立ちやすく、要件が明確なシステム開発や、期間が決まっている市場調査などのフェーズにおいて最も適した契約形態です。
稼働時間に応じて支払うタイムチャージ型時間清算の相場
タイムチャージ型は、コンサルタントが実際に稼働した時間に応じて費用を支払う仕組みです。「マネージャー(経験6〜10年)」クラスであれば人月単価250万〜500万円程度を日割り・時間割りで計算します。
要件が流動的でアドバイスベースの相談が多い場合に適していますが、稼働が長引くと予算をオーバーするリスクがあるため、上限設定などの工夫が必要です。
利益を分配する成果報酬型レベニューシェアの相場
成果報酬型(レベニューシェア)は、初期費用を抑える代わりに、事業で出た利益や売上をコンサルティング会社と分配する仕組みです。実行フェーズや営業活動支援において、パートナー企業とリスクを共有しながら進めたい場合に有効です。
ただし、利益の何%をどちらが受け取るかという比率は、プロジェクトへの貢献度や開発費の負担割合によって個別に交渉されます。
新規事業コンサルの費用見積もりを見極める基準と失敗しない選び方

複数社から見積もりを取得して比較検討する際、単に金額の大小だけで判断するのは危険です。プロジェクトを成功に導くためには、見積もりの妥当性や透明性を見極める視点が欠かせません。
ここでは、提出された見積もり書を確認する際のチェックポイントと、自社に合ったコンサルティング会社を選ぶための基準を解説します。
見積もりの内訳が工程・役割別に分解され透明性が高いか
良心的なコンサルティング会社の見積もりは、「誰が(アナリスト、マネージャー等)」「どの工程に」「どれくらいの期間」稼働するかが明記されています。
例えば、「アナリスト(経験1〜3年)」の人月単価は100万〜200万円が目安ですが、見積もりが「一式」とまとめられている場合は注意が必要です。詳細な内訳を求め、不透明な費用がないかを確認しましょう。
システム開発費や広告費などコンサル外の隠れた費用が明示されているか
コンサルティング費用とは別に発生する「隠れた費用」を見落とさないことが重要です。
例えば、新規事業のWebシステムを新規開発する場合、300万〜2,000万円の初期費用が別途かかる可能性があります。また、ノーコードツールを利用して10万〜200万円に抑える提案があるかなど、開発費やインフラ保守費が見積もりにどう組み込まれているかを明確に確認してください。
成果報酬型(レベニューシェア)の場合の成果定義が明確に合意できるか
成果報酬型で契約する場合、「何を成果とするか」の定義が曖昧だと後々大きなトラブルに発展します。売上高、粗利益、あるいは新規獲得顧客数など、具体的な指標(KPI)を双方で厳密に合意することが不可欠です。
また、利益配分の期間や、目標に達しなかった場合の開発費用の扱いなど、契約終了時の条件も事前に細かく取り決めておく必要があります。
新規事業コンサルの費用対効果を最大化するBtoB企業の実践ポイント

BtoB企業が新規事業を立ち上げる際、限られた予算で最大限の成果を出すためには、契約方法やプロジェクト管理において戦略的なアプローチが求められます。単にコンサルタントに丸投げするのではなく、自社が主導権を握ってコントロールすることが重要です。
費用対効果を高めるための具体的な実践ポイントを3つ紹介します。
フェーズや検証目的に応じて定額制と成果報酬型の契約形態を使い分ける
プロジェクトを単一の契約で縛るのではなく、フェーズごとに適した契約形態を使い分けましょう。初期のアイデア出しや市場調査は定額制で予算を固定し、本格的な事業展開や営業支援フェーズに入ったら成果報酬型に切り替えるといった手法です。
検証段階でのコストリスクを抑えつつ、実行段階でのコンサル会社のコミットメントを引き出すことができます。
中間成果物の定義を明確にし、スコープクリープによる追加費用を防ぐ
プロジェクトが進行するにつれて要求が膨らみ、当初の範囲(スコープ)を超えてしまう「スコープクリープ」は追加費用発生の最大の原因です。
これを防ぐためには、各工程での「中間成果物」を具体的に定義し、何を納品すればそのフェーズが完了となるかを合意しておく必要があります。追加の要望が出た場合は、別途費用と期間を算定するルールを徹底しましょう。
PoC予算と本開発予算を分離し、フェーズごとに投資判断ゲートを設ける
PoCの段階で本開発までの全予算を確保してしまうと、撤退の決断が鈍る原因になります。予算はフェーズごとに分離し、各フェーズの終わりに「投資判断ゲート」を設けましょう。
設定したKPIをクリアした場合のみ次の予算を承認する仕組みにすることで、見込みのない事業への無駄な投資を防ぎ、費用対効果の高い有望なプロジェクトに資金を集中させることができます。
新規事業コンサルの費用に関するよくある質問
新規事業コンサルティングの利用を検討している企業担当者から寄せられる、費用に関する代表的な質問にお答えします。特に、開発費用が含まれるかどうかや、依頼先による金額の違いについては多くの人が悩むポイントです。
自社の状況に照らし合わせて、予算計画やパートナー選びの参考にしてください。
- 新規事業コンサルの費用を安く抑える方法はありますか
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費用を抑えるための最も有効な方法は、すべてをゼロから作るスクラッチ開発を避け、既存のツールを活用することです。
例えば、パッケージ導入なら50万〜500万円、SaaS活用なら0〜数十万円の初期費用でスタートできる可能性があります。また、自社でできる調査やリサーチは内製化し、専門知識が必要なコアな部分のみをコンサル会社に依頼するのも効果的です。
- 費用が高額な大手コンサルと中小コンサルの違いは何ですか
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大手企業向け新規事業コンサルティングを得意とするアクセンチュアやシグマクシスなどの大手は、ブランド力や豊富な実績があり、全社的な大規模変革に対応できる分、人月単価やプロジェクト総額が高額になる傾向があります。
一方、中小や特化型のファームは、特定の領域に強みを持ち、柔軟な対応やスピーディーな伴走支援を相対的に低い費用感で提供できるのが特徴です。
- コンサルティング費用にアプリやシステムの開発費は含まれますか
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一般的な戦略系コンサルティングの場合、システムやスマートフォンのアプリ開発費(500万〜2,000万円が相場)は含まれていないことがほとんどです。
しかし、新規事業はシステムの提供が必須となるケースが多く、開発フェーズで別会社に依頼すると引き継ぎコストが発生します。そのため、戦略策定からシステム構築までを一貫して担えるパートナーを選ぶ方が、総合的な費用対効果は高くなります。
まとめ:新規事業コンサルの費用対効果を見極め事業を成功に導こう
新規事業コンサルの費用は、依頼するフェーズやシステム開発の有無、料金体系によって大きく異なります。自社の予算と目的に合ったパートナーを比較検討し、費用対効果を最大化することがプロジェクト成功の鍵です。
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